ケアミーツの「お知らせ」に年末年始休みのご案内を書いていて、ふと、1年前の大晦日を思い出しました。
実は、去年の大晦日は、利用者さんに「大事件」が勃発していたんですよね。
名付けて
「転んで頭を裂傷、部屋中が血まみれ事件」です。
しかも「関係者が誰も知らぬうちに、救急車に乗って受診していた!」というオマケ付きです。
今回は、1年前に起きた「大事件」のピソードをシェアしたいと思います。
大晦日の大事件!
頭は裂傷+部屋は血まみれ。救急車は誰が呼んだのか?
日本中がお休みになる年末年始は、離れて介護をする家族にとっての「リスク期間」なんですよね。なぜなら、病院も介護事業所も手薄なので、突発的な対応が困難になるからです。
そして、どんなに準備していても、「想定外」の事件は起きるもの・・・。
そんなわけで、ケアミーツにも「想定外の事件」は、突然やってきました。
大晦日(12/31)のお昼どき、私は、お蕎麦屋さんで、年越し蕎麦がゆで上がるのを、ノンビリ待っていたんですよね。
テーブルに、アツアツの鴨南蛮が運ばれてきて、ひとくち食べたその瞬間、私の携帯に着信が・・・。
「大変です!〇〇さんが頭にケガをしていて、部屋中が、血まみれなんです!でも、頭にはガーゼが貼ってあるんです。本人は、『救急車で病院に行った』って言ってます! ほんとですかね?ちえさん、知ってましたか???」
電話の声は、動揺してうわずっていました。
「え?血まみれ・・・?? 救急車? それ、どーゆーことぉ??」
私の声も、小さく絶叫です。
もはや、蕎麦どころではありません、、、。
だって、
- 認知症の90代が頭部に怪我をしている。
- しかも、頭にはすでにガーゼが貼ってある。
- 本人は救急車に乗ったと言っている
- いまもガーゼから血が滲んでいる
- 部屋中が血まみれ
- それなのに家族は知らない(安並も)
私は、携帯を握ったまま蕎麦屋の外にでて、話しのつづきを聞くことに・・・。
アパートの隣人に付き添われて、救急車で病院へ?
「もう、どこまでが本当なのかわからないんですがね、、、、本人の言うことを、そのまま伝えますね! 」
と、うわずった声が、つづきます。
話の概要はこうです。
- 昨日の朝10時頃、よろめいてタンスに頭をぶつけた。
- ぶつけた傷からたくさん血が出て、止まらなくなった
- アパートの「隣人さん」に助けを求めた(ドアを叩いた)
- 「隣人さん」が救急車を呼び、病院に連れて行ってくれた
- 結局その日は、医者には診てもらえなかった→看護師さんが手当てしてくれた
- 病院から帰宅したのは夕方だった(お腹もすいた)
とのこと。
(認知症本人の)言っていることが正しいとすれば、
「怪我をしたので、隣人さんに付き添ってもらって病院に行き、なんらかの処置をした。だけど医者には診てもらえなかった」といことらしいです。ことのようです。
頭にくっついているガーゼのナゾも解けました。
続いて、電話の声が、
「そこらじゅうが血まみれなんです!この状態で、昨夜は、いったいどうしていたんですかね?
ワタシ、もう部屋を出なくちゃいけないんですが・・・。とりあえず、できるところまで掃除しましたが・・・。」と。
私は、受話器に向かって
「この後は、引き受けるので大丈夫です!連絡をくれてありがとうございます。助かりました〜」とお礼を言って、電話を切りました。
電話を切ったあとに私がスグにやったのは、離れて住むご家族に電話して状況を話し、次にどう行動をとればいいのか、具体的にアドバイスすることでした。
- 訪問医に連絡をすること
- 訪問看護ステーションに連絡をすること
- ケアマネに連絡をすること
- (付き添ってくれた)隣人から詳しい状況を聞くこと
- 病院受診の支払いがどうなっているのか確認すること
などなど、この件に関する今後の対策とご提案です。
私から電話を受けたご家族も、びっくり仰天ですよね。
「ふう・・・」
席にもどってみると、年越し蕎麦(鴨南蛮)が、すべての汁を吸い込んで、モリモリと巨大化して待っていました。笑
訪問看護と訪問医のすばやい対応
ありがたいことに、連絡から1時間後には
- 訪問看護師が駆けつけてガーゼ交換
してくれました!
24時間対応の訪問看護ステーションは、まさに神ですね! 本当にありがたい♡
そして、その後、
- 訪問医が診察
- ケアマネと情報共有
- 隣人さんへの連絡
と、進めることができました。
このケースでは、24時間対応の訪問看護ステーションを利用していたので、キズの処置をしてもらえたこと、
年末年始期間にもかかわらず訪問医に診てもらえたことがラッキーでした。
もしも、訪問看護も訪問医も利用していなかったら、年末年始期間中、病院ジブシーになってたはずです。
救急車で病院に行ったのに医師に会ってない不思議
一連の初動対応が終わったあと、「隣人さん」から詳しい話を聞くことができ、事件の全貌がわかりました。
結果的に、認知症本人の言っていることは、8割くらいは事実だったのですが、このエピソードの中で、私が一番おどろいたのは、
- 「救急車で病院に行ったのに、医師に診てもらえずに帰された」ということ。
「隣人さん」によると、
外科の医師は、ずーっとオペ室に入りっぱなしだし、救急外来には、次から次に救急車が到着。病院の中は、終始ものすごいドタバタだったそうです。
病院に着いた二人は、検査以外は、ずーっと待合椅子で待たされたまま、お昼になり、午後になり、暗くなり始め、そのうちに看護師がやってきて、「たぶん、このまま待っていても、診てもらえないと思います。医師はずっとオペ室に入りっぱなしなので・・・」といって、頭に薬を塗りガーゼを貼って帰された、というのです。
「隣人さん」は、わりと聡明な70代ですから、彼女が言うなら事実でしょう。
私は「医者には診てもらえなかった」が、本当ととわかり、驚きました!
つまり、
年末年始期間は、救急外来に患者が殺到するため、「医師に診察してもらえない」事態もおこりうるということです。
このように、
年末年始期間は、認知症のひとりぐらし高齢者にとっては、怪我も病気もできないキケンな「リスク期間」なのですよね・・・。
そして、皆さんはお気づきのことと思いますが、危機を救ったのは、普段から出入りしている看護師でもケアマネでもなく、「隣人さん」だったということです。
「大晦日に」「朝から夕方まで」一日中付き添ってくれた「隣人さん」に、本当に感謝ですね。
仕事がデキるケアマネはやっている?早い者勝ちのショートステイの先取り予約
それでは、こんなリスクを抱える「一人暮らし認知症高齢者」の年越しに家族ははどう備えればいいのでしょうか?
『デキるケアマネ』さんによると、年末年始は
- 「ショートステイを利用する」
- 「手厚くヘルパー利用する(自費も含め)」
など、何らかの対策を取っておくそうです。
しかも、仕込みは11月から(12月ではもう遅い)
ショートステイは、基本的に、早い者勝ちの予約制ですからね。
このように、
「一人が心配な高齢者」には、年末年始に「一人にしない」が理想的です。
とはいっても、、今回のケースのように、毎日ヘルパーさんを仕込んでいたとしても、「ヘルパーさん不在の時間」に、「関係者の知らぬ間」に救急車で運ばれるという「想定外」もおこるわけですから、医療介護の関係者だけで全ての想定外に対応するのは難しいです。
つまり、
「関係者」とは、介護医療の専門職だけでなく、「ご近所さん」も「関係者」として考えるべきだったということですね。
どこまでの範囲でどの程度まきこむのかは、ケースによりますが、普段からの「近隣とのおつきあい」が大事なことは間違いありません。
まとめ
日本中がお休みになるお正月期間は、離れて暮らす家族にとっての「リスク期間」なんですよね。
なぜなら、病院も介護事業所も手薄なので、突発的な対応が困難になるからです。
- 病院に行っても「医師に診てもらえないリスク」
- 「訪問医」「訪問看護」「訪問介護」も休日体制というリスク
- 『緊急連絡先』を部屋にベタベタ貼っていても、連絡してもらえないリスク
など、
年末年始ゆえのリスクが増しますからね・・・。
リスクを減らすためには、「関係者間」で、事前の対策が必要ですし、そして、その「関係者」とは、専門職だけでなく「隣人さん」も入れておくことが大事ですよ、たくさんの目があった方がいざという助けてもらえます!というお話でした。
遠距離介護のみなさま、
年末年始の帰省の際には、ご近所さん(隣人さん)とのご挨拶もどうか忘れずに〜♪
「何かあったら、ココに連絡してくださいね。」と連絡先を渡しておきましょう!
ということで、今日は、1年前の大晦日の出来事をシェアさせていただきました。
皆様の介護のヒントになれば幸いです。
おまけ
人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である。byチャップリン
こうして振り返ってみると、「ふやけきった年越し蕎麦」が、すでに懐かしいですね( ^ω^ )
年末年始期間でも臨時対応やってます。お任せくださいね♪
注)事例はご家族の許可を頂いて掲載してます。
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